昨日からの続きで古本のメンテナンスの二回目です。
表紙の汚れには取れるものと取れないものがあって、表紙のコーティングが光沢のあるものは昨日の方法でだいたい取れますが、取れないものが中にはあるんですよね。
マジック等で名前の書き込みがあった場合。
ベンジン
マジックで表紙に書き込みがあると、これはもう簡単には落ちてくれません。私がもともと働いていた古本屋では、ベンジンを使ってました。
ベンジンというと、それまではカイロに使う液体としてしか知りませんでした。まさかこれが本の汚れを取るなどとは思っていなかったので、最初見た時は驚かされました。使い方は液体を布に含ませたものをマジック等の汚れの部分にしばらく当てるか、直接その部分に液体を垂らしてしばらく時間を置いて乾いた布で拭くだけ。
これでよほど強く書かれていない限りはだいたい落ちてくれます。
値札・シール取りにも使える
また表紙に貼った値札やシール取りにも使ってました。これも使い方は簡単で、値札やシール部分に適量を付けておいて、ちょっと時間を置いて取ると粘着部分が剥離して容易に剥がすことができるのです。
こんな便利な「ベンジン」でしたが、ある日CDのプラスティック部分の値札剥がしに使ってみたら、ケースの表面が溶けて真っ白に。プラスティックは使いすぎると溶けちゃうので要注意ですね。
多幸感のある「ベンジン」
「ベンジン」とは、石油からつくられた有機溶剤とよばれる液体です。
書いていて思い出しましたが、子供の頃車のそばで嗅いだガソリンの匂いと同じようなにおいがするんですね。この匂いがクセ者で、結構いい匂いというか、中毒性のある匂いなんです。
ベンジンさらに調べてみると、その匂いに多幸感を感じられるそうです。しかもこれが結構危険で、中毒となったらめまいが起り,さらに昏睡,けいれん,呼吸不全や心室性不整脈が生じることがあるんだとか。怖(こわ)~っ。
長時間の使用は控えた方がよさそうです。
ハンディーサイズで便利なライターオイル
それから時が経ち、気が付くと前勤めていた古本屋さんから数えて10数年経ってました。ベンジンも最初の頃は使っておりましたが、ベンジンのあの容器を見てもお分かりかと思いますが、結構大きくて使いづらいんです。あと不注意で傾けて中身がこぼれてしまったこともありました。ベンジンは石油成分ですので、もちろん火の気があれば燃えちゃうので危険!
そこで次に目をつけたのが、ライターオイルでした。
ライターオイルは100円ショップで販売されていて、値段の手頃さもさるることながら、重さも100mlタイプで110gと軽いので、非常に扱いやすいのです。加えて写真のように口が細口ですので少量ずつ使うことが出来る上、こぼれにくいという優れモノ。もちろん「ベンジン」と同じように油性マジック落としや値札剥がしに活躍してくれますので、一本持ってて損することはないと思いますよ。
コメント