やはり古本の小口は綺麗な方がいい
今回のテーマは「小口の研磨」。古本屋さんや古本を買う人は結構ここにこだわったりします。やはり出来るだけ買った時の状態と同じように綺麗な方がいいですよね。「古本のメンテナンス」第一回でも引用した画像ですが、まずは本の小口の場所をこれで確認してください。
古本の小口の汚れの種類
この小口、どんな汚れがあるのかといいますと、分かりやすいように写真を撮影してみました。(写真左)小口は日にヤケたり、表面にホコリが積もってヨゴレになったり、(写真右)また人によっては所有印を押したり日付印を押したりしているので、これを取るのは容易ではありません。
古本の小口の研磨は基本紙やすり
古本屋から働き始めて今まで基本的に使用しているのは、紙やすり。サンドペーパーともいいます。今使用しているものが写真のもので、「BELL STAR」というメーカーのABRASIVE PAPER(研磨材紙)というのを使用しております。
紙やすりは粒度といって目の粗さで数値が決まっております。目の粗さの数値は40~1000までありますが、うちで主に使用しているのが「G-100」というものです。
ちなみにうちの近所のホームセンターの価格ですと「G-80」「G-100」が41円(税込み)、G-120が30円(税込み)となり、比較的安い価格で販売されております。
こちらで小口についたヨゴレやヤケなどはある程度取ることができます。使いかたはカバーを外して小口を紙やすりで磨くだけ。上の写真のヨゴレ・ヤケなどでしたら比較的容易に取ることができると思います。
自分的には失敗だった大型研磨機
12年ほど前の話ですが、店舗を始める前にコミックを大量仕入れしていたこともあり、一つ一つ紙やすりを使って研磨するのが億劫になっていた時期がありました。そんな折に同業者から「大型研磨機を購入しないか?」とのお誘いがあり、思い切って購入してしまったのでした。ところが買ってみて分かったことですが、うちぐらいの規模では大型なので置く場所に困るのと、一日に研磨する冊数がそう多くないので、どうしても店の規模に合わないという問題が出て参りました。当然消耗品ですので買わなければいけない備品も出て参ります。半年ほど経ったところで、使用するのを断念。これはあくまで私の判断が悪いことで、この大型研磨機が悪かった訳ではありません。
失敗はしたけれど、研磨機が欲しかった…
人間とは懲りないもので、そのあともずっと研磨する機械が欲しかったんです。しかし探しても探してもコストや場所の問題で断念せざる得ませんでした。ところが、そうやって探していたある日、ネットである記事を見つけました(今その記事を探してみましたが、もう何年も前のことで、ネットから私が見た記事はありませんでした)。
それがリョービS-5000に関する記事で、本の小口の研磨に向いているというのです。早速購入して、試しに使用してみるとサイズも小型な上に値段もそんなに高くなくて、使いやすい。しかもホームセンターで売っている紙やすりが使えるので、かなり経済的だという点も良かったのです。
リョービS-5000ミニサンダの使い方
使い方は簡単です。①まずホームセンターで購入した紙やすりを、写真のように6等分します。➁引いた線通りに切って、そのうち一枚を装着。③本のカバーを取り、小口部分にミニサンダを当て研磨します。ちなみに紙やすりは切り抜いた一枚で3~8冊ぐらい研磨してます。
すると、ご覧のように時間の経過とともに小口のヤケ・ヨゴレ・日付印が取れていきます。ただヨゴレやヤケに関しては小口に深く入り込んでいるものは完全に取り去ることは無理のようです。今回も少し残ってしまいました。それでもだいぶ綺麗にはなりました。
このミニサンダ、この数年間で数百冊は研磨したでしょうか。現在研磨機は定価6868円のようですので、仮に500冊数年間で研磨したとして一冊当たり13.7円ほど。それに紙やすりが一冊頭コストが1~2円ぐらいなので、現在最終的に一冊当たりコスト15~16円で済みそうです(あくまで私の場合)。これを安いとみるか、高いとみるかは使う人次第でしょう。もしご興味持たれた方、一度使ってみてくださいね。それでは良き古本ライフを~。
コメント