買った本がなんか臭かったり、久しぶりに本棚の本を取ってみたら臭いがあると気付いたりなど、本から臭いがすると感じたことある方もいるのではないでしょうか。本はそのままにしていると湿気やにおいを吸収して、独特の臭いを発するようになります。
当記事では、そんな古本の匂いを取り除く方法を5つ紹介します。本の臭いの原因を知りたい方も、ぜひご覧ください。
1.古本の臭いの原因
古本や図書館、自宅に長期間保管された本には、独特の臭いが発生することがあります。古本の臭いは保存環境や使用状況によって異なり、場合によっては強く感じることもあります。以下では、古本のにおいの原因として考えられることを紹介します。
1-1.カビ
古本の臭いの原因の一つとして考えられるのが、カビです。本は紙や布を含む素材でできており湿気を吸収しやすいため、カビが発生しやすい環境にあります。特に湿度の高い場所に長期間保管されているとカビの胞子が繁殖し、独特のカビ臭を発するようになります。
カビ臭は古本特有の「古びた臭い」の一因となり、紙の奥深くまで浸透するため、表面を拭くだけでは臭いを取り除くことが難しいことが特徴です。また、カビが進行すると、本の紙や表紙が変色したり、劣化したりなどの影響を及ぼす原因にもつながります。
1-2.生活環境
家の中の空気や家具のにおいなど、本を保管している生活環境の影響も臭いの原因となります。生活環境のにおいが時間とともに本に染みつき、古本特有の臭いへと変化していきます。特に、タバコの煙やペットのにおい、香水や柔軟剤の香りなどは紙に吸収されやすく、本の繊維の奥まで浸透すると簡単には消えません。
また、食べ物のにおいや食べこぼしも古本の臭いの原因となることがあります。例えば、読書中にお菓子や飲み物をこぼした場合、紙が吸収して時間が経つと独特の臭いを発することがあります。油分を含んだ食品のシミはカビの発生を促す要因にもなり、悪臭の原因になりやすいです。キッチンの近くに本を置いていた場合、調理の際に発生する油煙や香辛料のにおいが本に染みつくこともあります。
1-3.殺菌消毒薬
殺菌消毒薬の成分が本に染みついていることも、古本の臭いの原因の一つです。図書館や古本屋では多くの方が触れる書籍を衛生的に保つために、アルコールや次亜塩素酸などの消毒液を使用することがあります。これらの薬剤は紙の繊維に吸収されやすく、時間が経っても完全に揮発しないことがあります。
また、古本がカビや雑菌に汚染された際に殺菌処理を行うこともあり、その際に使われた薬品のにおいが本に残ることがあります。
2.古本の臭いの取り方
古本の臭いを取る方法はいくつかありますが、中でも新聞紙を使った方法は効果的とされています。本に染みついた臭いは紙の特性を利用して吸収・分解できるため、適切な方法を試せば軽減が可能です。以下では、具体的な古本の臭いの取り方を紹介します。
2-1.消臭剤を使用する
簡単でお手軽な古本の臭いの取り方が、消臭ビーズが入っているような置き型の消臭剤を利用した方法です。消臭剤は商品によって異なりますが、銀やフラボノイドなどのさまざまな成分で臭いの分子を分解したり緩和したりして無臭化してくれます。以下は消臭剤を使用した古本の臭いの取り方です。
1. | 古本と消臭剤、大きめの袋を用意する。 |
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2. | 袋の中にページを軽く開くような形で本を立てる。 |
3. | 本から少し離して消臭剤を置き、袋の口を閉じる。 |
4. | 4~5日放置して臭いが取れていない場合は、1週間程度置いておく。 |
消臭剤は無香料のものを使うのがおすすめですが、タバコの臭いが強いという場合にはタバコ用の消臭剤を使用するとよいでしょう。
2-2.天日干しする
天日干しは紫外線や風の力を利用して臭いを軽減する方法で、特に湿気やカビ由来の臭いに効果的です。紫外線には殺菌・消臭効果があり、本の表面やページの間に付着した雑菌やカビの胞子を分解します。また、風に当てることで湿気を飛ばし、臭いの原因となるカビや細菌の繁殖を防ぐことができます。
以下は、天日干しを利用した古本の臭いの取り方です。
1. | 晴れた日を選び、風通しのよい屋外または室内の窓際を準備する。 |
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2. | 古本を直射日光に長時間さらさないようにしながら、本を立てたりページを適度に開いたりして風が通るように配置する。 |
3. | 午前中の2~3時間程度干す。 |
4. | 途中で本を軽く動かしながら、両面が均等に風に当たるように調整する。 |
直射日光に長時間当てると紙が変色したり劣化したりするため、影干しや短時間の天日干しを心がけることが大切です。湿気の多い日や風のない場所では効果が薄れるため、乾燥した晴天の日に実施するとよいでしょう。
2-3.コーヒーの出がらしを使う
古本の臭いを消す方法には、コーヒーの出がらしを使う方法もあります。コーヒーの出がらしには多孔質の炭素構造が含まれており、空気中の臭い成分を吸着する強い消臭効果を持ち、特にカビ臭やタバコ臭、生活臭などの吸着に優れています。活性炭と同じ原理で、古本に染み付いた臭いを効果的に除去することが可能です。
以下はコーヒーの出がらしを使った古本の臭いの消し方です。
1. | コーヒーの出がらしをしっかり乾燥させ、湿気を飛ばす。 |
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2. | 乾燥させた出がらしをお茶パックや布袋に詰める。 |
3. | 古本と一緒に密閉できる袋や箱に入れる。 |
4. | 1週間ほど放置し、臭いの状態を確認する。必要に応じてさらに数日間続ける。 |
コーヒーの出がらしが十分に乾燥していないと、本に湿気が移りカビの原因になる可能性があるため、完全に乾かしてから使用しましょう。消臭とともにコーヒーのにおいが本につく場合があるため、コーヒーのにおいが苦手な方にはおすすめできません。
2-4.重曹を使用する
重曹は弱アルカリ性のため、酸性の臭い成分を中和し、臭いの分子を分解する効果があります。重曹の粒子が多孔質であるため、臭いを吸着する働きもあります。特に酸性の臭い(タバコ臭、カビ臭、食品由来の臭い)を中和して取り除くのに効果的です。
以下は、重曹を使用した古本の臭いの取り方です。
1. | 密閉できる袋や箱を用意する。 |
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2. | 重曹をカップ1杯程度、お茶パックや布袋に入れる。 |
3. | 古本と一緒に密閉袋や箱の中に入れる。 |
4. | 1週間ほど放置して臭いの状態を確認し、必要であればさらに1週間放置する。 |
重曹の粉が本にかかると紙が痛みや変色の原因になる可能性があるため、触れないようにしましょう。また、放置しすぎると本が乾燥しすぎてしまう場合があるため、適度なチェックが必要です。使用後の重曹は消臭効果が薄まるためそのまま捨ててください。
2-5.新聞紙を挟む
新聞紙のインク成分(特に炭素系のインク)には臭いの分子を吸着する作用があり、また紙が多孔質であるため湿気と一緒に臭いを吸収します。本に染みついたカビ臭やタバコ臭、食品由来の臭いを吸収するのに適しています。以下は、新聞紙を使った古本の臭いの取り方です。
1. | 古本より少し大きめの新聞紙を用意する。 |
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2. | 新聞紙を数ページごとに挟み込む。 |
3. | 本全体を新聞紙で包む。 |
4. | 密閉できる袋や箱に入れ1週間ほど放置する。 |
5. | 臭いが残っている場合は、新しい新聞紙に交換して再度1週間ほど置く。 |
古い新聞紙は湿気を多く吸っていて逆に古本に湿気の影響を与える可能性があるため、新聞紙は比較的新しいもの、また使用した新聞紙も定期的に交換するのがおすすめです。
3.古本の臭いを取る際に避けるべき方法
古本の臭いを取る際、適切な方法を選ばないと紙を傷めたり、逆に臭いを悪化させたりすることがあります。古本の臭いを取る際に、以下の方法を行うのは避けましょう。
- ■消臭スプレーの直接使用
- ■香水の使用
消臭スプレーを本に直接吹きかけると、紙が湿気を吸収してシミができたり、インクが滲んでしまったりする可能性があります。また、スプレーの成分が乾く際に紙が波打つこともあり、見た目や手触りが変わるため使用するのは避けましょう。なお、無香料でアルコール成分が少ない消臭スプレーを新聞紙やキッチンペーパーに吹きかけて本を包むなど、間接的な使用であれば問題ありません。
香水を本に振りかけると、一時的に古本の臭いをごまかせるように感じますが、香水のアルコール成分が紙にダメージを与えたり、時間が経つと別の不快な臭いに変化したりすることがあります。また、香水の香りが強すぎると本自体に人工的な香りが染みつき、読書中に気になってしまうこともあります。香水を使っての消臭は逆効果になりやすいため避けましょう。
まとめ
古本の臭いの主な原因は、カビ・生活環境・殺菌消毒薬などが考えられます。これらの臭いを取る方法として、消臭剤・天日干し・コーヒーの出がらし・重曹・新聞紙などを活用する方法があります。特に新聞紙は臭いを吸着しやすく、手軽な対策として効果的です。
ただし、古本の臭いを取る方法として消臭スプレーの直接使用や香水を振りかけると紙を傷めたり、逆に別の臭いがついたりする可能性があるため避けましょう。
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