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本につく小さい・白い虫はどこから来る?駆除・対策方法も解説

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本を保管した場所の掃除が行き届いていなかったり、湿度が高かったりすると、白い・小さい虫が繁殖しやすくなります。本に虫がつくと、不快なだけでなく、書籍が傷んだり、アレルギーの原因になったりすることもあります。特にチャタテムシやシミなどは高温多湿な環境で繁殖しやすく、放置していると被害が広がる恐れもあるでしょう。

この記事では、本につく代表的な虫たちの種類と発生原因、健康や本への影響、駆除方法と予防策を解説します。自宅や職場の本棚に虫が発生して困っている方や、虫害を未然に防ぎたい方は、ぜひ参考にしてください。

1. 本につく小さい・白い虫はどこから発生する?

本に虫がついている場合、ダニがついている、と勘違いされるケースがあります。しかし、目視で虫がいると分かる場合、ダニである可能性は低いと考えられます。家庭内に多いツメニやチリダニは非常に小さく、肉眼で確認するのが難しいためです。

本につく小さい・白い虫は、主に以下の3種類です。いずれも高温多湿な環境で繁殖しやすく、書籍や紙製品の劣化に大きく関与する虫です。それぞれの特徴と発生要因について解説します。

1-1. チャタテムシ

チャタテムシは体長1~2mm程度の小さな虫で、色は淡黄色や淡褐色です。半透明で視認しづらいため、気付かれにくい傾向があります。ダニと誤認されることもありますが、チャタテムシは人間に直接害を与えることはありません。

チャタテムシの主な発生原因はカビです。チャタテムシは湿気を好み、カビを主食としています。そのため、湿った紙類や段ボール、古新聞、畳、乾物、ペットフードなどにカビが生えると、それを餌にして繁殖します。

特に湿度が高く、換気が不十分な部屋に古い紙製品を置いておくと、チャタテムシの温床になりやすい点に注意が必要です。

1-2. シミ

シミは体長約1cmの銀色あるいは白色の昆虫で、平べったい体と3本の長い尾、長い触角を持ち、魚のようにクネクネと動くことが特徴です。名前の通り書籍や紙類を好む性質があり、「紙魚」や「衣魚」とも呼ばれます。

シミの主な餌は、本の装丁に使われる糊や、障子や掛け軸ののり、さらにはホコリや髪の毛などです。人への健康被害はありませんが、見た目の不快感が大きく、害虫として扱われています。

シミは書庫や押入れなどの、餌が豊富で暗くて暖かく、湿った環境を好みます。家の掃除が行き届いていない、本の虫干しを長年していないといった状況は、シミが発生する原因です。

また、シミは非常に寿命が長く、7~8年生きる個体もいます。何も食べなくても1年近く生き延びることがあり、一度住み着くと完全な駆除は難しくなります。

1-3. シバンムシ

シバンムシは2mmほどの小さな虫で、カブトムシのような丸みのある形をしています。シバンムシの中でも、本に害を与えるのは「ジンサンシバンムシ」と呼ばれる種類です。ジンサンシバンムシは建具や書籍を食害する一方で、「タバコシバンムシ」は畳に被害をもたらします。

発生源は乾物やタバコ、ドライフラワーなど多岐にわたります。古くなった穀物や乾麺などが保管されている棚に潜んでいる可能性も高く、室内の暖かい場所で繁殖しやすくなります。

特に古書の保管環境が悪い場合、シバンムシが卵を産み付け、孵化した幼虫が紙を食い荒らすことによって、書籍に穴があくなどの被害が発生するため注意が必要です。

2. 本につく虫を放置しているとどうなる?

本につく虫を放置していると、アレルギーの原因となるほか、紙の劣化やダニの発生など、さまざまな悪影響が懸念されます。特に高温多湿な環境では虫が繁殖しやすくなり、被害が拡大しやすくなります。

特に注意したいのは、チャタテムシの中でも、ヒラタチャタテという種がアレルギー性ぜんそくのアレルゲンとなる可能性がある点です。研究によると、日本のぜんそく患者の約2割がヒラタチャタテに対するIgE抗体を持っていたという結果も出ています。

大量発生したチャタテムシの死骸が空気中に漂うことで、長期的にはぜんそくなどのアレルギー症状を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

出典:農業・食品産業技術総合研究機構「ぜんそく発作のアレルゲンとしてのチャタテムシ」

また、チャタテムシを捕食するダニが二次的に発生することもあります。チャタテムシ自体は人を刺しません。しかし、チャタテムシを餌とするダニが増えることで、人が刺されてしまうなどの健康被害が生じる可能性もあります。

3. 本につく虫の駆除方法

本に虫が発生した場合は、被害が拡大する前に速やかに駆除することが重要です。数匹程度であれば目視で確認し、ティッシュやガムテープ、コロコロ(カーペットクリーナー)などを使って除去できます。潰すのが苦手な場合は、そっと粘着面で取り除く方法が有効です。

虫の数が多い場合には、まず発生源となっている古い書籍や紙類、食品などを破棄し、保管場所を洗剤やアルコールで丁寧に掃除・除菌しましょう。特にチャタテムシはカビを好むため、カビの発生源を除去することが大切です。

なお、小さな虫は掃除機で吸い込んでも排気口から逃げてしまうため、掃除機の使用はNGです。掃除機の中で虫が繁殖するリスクもあるため、まとめて掃除機で吸うのは避けてください。

殺虫スプレーや燻煙剤の使用も効果的です。燻煙剤は室内全体に薬剤が行き渡るため、広範囲に虫が潜んでいる場合に適しています。また、虫がついた本をビニール袋に密閉し、防虫剤とともに数週間から数か月ほど保管する方法もあります。紙魚の場合はゴキブリ用のホウ酸団子も駆除に効果的です。

自力での駆除が難しい場合や被害が大きいと感じた場合には、専門の害虫駆除業者への依頼も検討しましょう。

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4. 虫が本につかないようにする対策方法

本に虫が発生するのを防ぐためには、虫が好む環境をつくらないことが大切です。定期的な掃除や湿度の管理、保管方法の工夫を組み合わせて行うことで、虫の発生リスクを抑えられます。

以下では、虫が本につかないようにする対策方法を解説します。

4-1. 虫干しする

虫干しとは、本を風通しのよい場所で広げて乾かす方法です。本にたまった湿気を飛ばすことで、紙を好む虫を寄せ付けにくくする、伝統的な虫対策の1つです。虫干しをするときは、晴れて湿度の低い日に行います。一般的に虫干しは、9月~11月の秋晴れの日に行われます。

虫干しの流れは以下の通りです。

1本棚のホコリを拭き取る
2本を1冊ずつ取り出し、表紙やページの端を軽く掃除する
3新聞紙を敷いた床などに本を立てて並べ、ページを少しずつめくって風を通す

年に1~2回を目安に虫干しをすることで、虫がつきにくい環境をつくれます。

4-2. 部屋の湿度を下げる

本につく虫の中でも、特にチャタテムシやシミは、湿度が高い場所でよく見られます。室内の湿度が70%以上になると、虫が増えやすくなるため注意が必要です。本を保管している部屋の湿度を40~50%程度に保てるように、以下のような方法で湿気を防ぎましょう。

  • 除湿機やエアコンの除湿機能を使う
  • 雨の日以外はこまめに窓を開けて換気する
  • 本棚に除湿剤を入れる
  • クローゼットや収納棚も定期的に開けて風を通す

4-3. 段ボールや古新聞などを溜めない

古い新聞や段ボールなどの紙類は、湿気を吸うことで虫の住処になります。以下のような点を心掛けて、虫の繁殖を防ぎましょう。

  • 新聞やチラシはたまったらこまめに捨てる
  • 段ボールを保管場所に使わず、不要になったら早めに処分する
  • 古本や資料は本棚やケースで整理して保管する

紙類を溜めず、こまめに整理することが、虫を防ぐポイントです。

4-4. 本と一緒に防虫剤を置く

防虫剤を使うことで、虫を寄せ付けにくくなります。防カビと防虫の双方ができる防虫剤の場合、虫の餌となるカビ対策も同時にできるため、おすすめです。

防虫剤を使う場合は、においが移らないように防虫剤は本に直接触れないように設置しましょう。無香タイプの製品を選ぶのもよいでしょう。

また、虫が嫌うとされるラベンダーやペパーミントなどのアロマを使うのも効果的です。ディフューザーやポプリを本棚付近に配置すれば、香りで虫を寄せ付けにくくできます。

まとめ

本につく虫は、書籍を傷めるだけでなく、アレルギーやダニの発生といった健康リスクにもつながるため、早めの対処が重要です。

数が少ない段階であれば、目視での駆除や防虫剤の活用、カビの除去などで十分対応可能です。しかし、大量に発生している場合は、専門業者への相談も検討すべきです。

また、日頃から虫干しや除湿、不要な紙類の整理整頓を行うことで、虫の発生を予防できます。本棚や収納場所の環境を見直し、虫が寄りつきにくい空間をつくることが、被害の拡大を防ぐポイントです。

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