日々学業や仕事で忙しく、家には寝に帰っているだけという方もいるのではないでしょうか。部屋を片付けようと思っても疲れでなかなか動き出せない場合、日々汚れていく部屋と一緒にイライラも募るでしょう。汚い部屋はイライラなど精神的な影響だけでなく、身体的にも悪い影響を与えるおそれがあるため改善するのが無難です。
当記事では、部屋が汚いとイライラするのは病気か、また部屋が汚いことでイライラする要因と対処法について解説します。あまりのイライラに病気ではないか不安に感じている方は、ぜひ参考にしてください。
1.部屋が汚いとイライラするのは病気?
部屋が汚いことでイライラするだけでは、一概に病気であると判断することは困難です。例えば、部屋が汚いという事実が精神的なストレスとなり、イライラを引き起こしている場合は病気である可能性は低くなります。
しかし、不眠や無気力などイライラすること以外の症状もある場合は、次のような病気が潜んでいる場合があります。
- 更年期障害
- 月経前症候群
- うつ病
- 高次脳機能障害
また、下記ような障がいや病気が原因で、部屋が散らかってしまうことも少なくありません。
- 発達障害(ADHD)
- 自閉症スペクトラム障害
- 統合失調症
- 認知症
- 強迫性貯蔵症
集中力の欠如や、物を捨てることに対して強い抵抗感があるといった障害の特性によって、部屋が掃除できずにイライラしている可能性があります。
2.部屋が汚いとイライラする要因
物が散らかり雑然とした部屋を見ると、気持ちが落ち着かずイライラするという方は少なくありません。部屋が汚いとイライラする理由は1つだけでなく、さまざまな要因が重なってイライラしている可能性があります。
ここでは、部屋が汚いとイライラする要因を5つ解説します。
2-1.視覚的な情報が多いため
部屋が散らかっていることで気持ちが落ち着かずイライラする原因の1つが、目から入る情報量の多さです。物が散らかり視覚的な情報が多い部屋にいると、情報処理のために脳が刺激を受けて過剰にエネルギーを消耗します。その結果、心理状態が不安定になりイライラを誘発することが考えられます。
例えば、テレビだけでなくCDの音楽やスマートフォンから流れる動画の音もある状況では、心が落ち着かずイライラするでしょう。同じように、視覚から大量の情報が流れ込むことも、ストレスを感じイライラする原因を作ります。
2-2.探している物が見つからないため
必要な物がなかなか見つからない状況は、もどかしさからイライラすることが多くあります。テレビを見たいのにリモコンが見つからない、自宅の鍵が見つからず外出ができないなど、思い通りに物事が進まないと苛立つ方もいるでしょう。
イライラする大きな要因は、探し物が見つからない焦りや不安感、失望感から来る精神的ストレスです。整理整頓されていない部屋は探し物を見つけにくいため、イライラを誘発しやすいと言えます。
2-3.物事にすぐ取り組めないため
イライラする要因として、やりたいことにすぐ取り組めないことが挙げられます。すぐに夕飯の準備をしたいのにキッチンに洗い物が大量にあれば、まずはキッチンの片付けから始めなければなりません。食事ができても机にゴミが放置されていれば、机の上も掃除しなければならず、イライラは募るばかりです。
部屋が汚れていると、掃除に時間と労力を使うためストレスが溜まりやすくなります。さらに、掃除という手間をかけなければ物事にすぐ取り組めない状態に、ますますストレスを感じてイライラが増大します。
2-4.掃除をしないといけないプレッシャーがあるため
部屋が散らかり汚くなることで、掃除をしなければならないというプレッシャーや焦りを感じるのもイライラする要因です。床の掃除機がけやキッチンの洗い物など、部屋の掃除や片付けは多岐にわたります。限られた時間の中で多くの作業をやろうとすることでプレッシャーを感じ、イライラにつながります。
また、掃除をしなければならないことは分かっているものの、面倒に感じて掃除の手が回らないこともあるでしょう。結果的にどんどん部屋が汚れると、ますます焦りを感じてイライラする原因になります。
2-5.片付けなかった罪悪感があるため
部屋の片付けをしなかったことに対して罪悪感があり、自分を責めてイライラを募らせることがあります。例えば、部屋を片付けずに寝てしまい、朝起きて汚れた部屋を見るとげんなりすることがあるでしょう。なぜ昨晩片付けなかったのか罪悪感を覚えるとともに、片付けさえできないと自己嫌悪に陥ることもあります。
必要以上に自分を責めることは大きなストレスです。自己嫌悪から来るストレスはイライラする原因を作ります。
3.部屋が汚くてイライラするときの対処法
部屋が汚れているデメリットには、ほこりやカビ、害虫の発生などにより健康面に悪影響が出ることが挙げられます。さらに、部屋が汚くイライラすることが増えると、精神的なストレスから疲れも蓄積しやすくなり、負の連鎖に陥りがちです。
部屋が汚くなったときはまず気持ちを落ち着かせて、できることを冷静に見極めることが大切です。
ここでは、部屋が汚くてイライラするときの対処方法を3つ紹介します。
3-1.片付けなかったことを責めない
部屋の片付けができなかったことを責める必要はありません。仕事や育児、その他の家事などすべてを完璧にこなすことは不可能です。肩の力を抜いて、自分自身を責めないことがイライラの解消につながります。
部屋の片付けまで手が回らないという場合は、家族に協力を求めたり業者に片付けを依頼したりするのも解決策の1つです。片付けが短時間で終わるように、時短家電や掃除アイテムを導入してもよいでしょう。
片付けができない自分に罪悪感を覚えるとイライラしやすくなります。まずは片付けができないほど他のことを頑張った自分を労い、適度に力を抜くことが大切です。
3-2.1か所だけ片付ける
まずは1か所だけでも部屋が片付くと、気持ちがスッキリして楽になります。大切なのは部屋全体を片付けようと気負わないことです。すべてを掃除しようとすると時間も労力もかかるため、かえってイライラを募らせる結果になりかねません。
片付ける場所は、負担を感じない程度に細分化することをおすすめします。例えば、キッチンを掃除しようとするとエリアが広くてなかなか重い腰が上がらないでしょう。まずはシンク周りや引き出しの上段のみ整理するなど範囲を細かく分けると、掃除に対する心理的ハードルを下げられます。
対処に困るほど汚れてしまった部屋でも、1か所だけ片付けることを続けてみましょう。毎日1か所掃除することを習慣にすれば、やがて部屋全体をスッキリさせることも可能です。
3-3.片付ける時間を決める
仕事や育児が忙しくてまとまった時間が取れないという場合は、1日に5分や10分など短い時間設定をして片付けに取り組むことが効果的です。短い時間であっても、片付けに取り組んだ達成感がストレス発散になります。
時間に余裕のある休日を利用して片付けをする方法もあります。ただし、まとまった時間を確保できる場合でも、午前中のみや夕食前までなど片付ける時間を決めておくことがポイントです。あらかじめ片付け作業のスケジュールを立てておかないと、やる気が起きずにダラダラと時間だけが経過するおそれがあります。
集中して片付けに取り組めると、部屋がきれいになるばかりか気分も晴れ晴れとして、イライラした気持ちを鎮められるでしょう。
まとめ
部屋が汚いだけで病気だと判断するのは難しく、他の症状や片付けたくても片付けられないといったことがある場合にはイライラの背景に病気が潜んでいる可能性があります。
部屋が汚いとイライラするのには複数の要因が重なって、イライラしている可能性が高いです。要因には、部屋が散らかることで目から入る情報が多かったり探しているものが見つからなかったり、物事にすぐ取り組めなかったりなどがあります。
まずは片付けなかった自分を攻めることなく、1か所だけ片付けてみるのがおすすめです。片付ける時間を決めることで、短時間であっても片付けた達成感からストレス解消につながります。
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