時は2003年4月。熊本にてどうにかこうにか古本屋になった頃のことです。ネット販売オンリーでしたが、自分の事務所も構えて「俺の城ができた~♫」なんて夢と希望に溢れる日々がスタートしました。
一番最初の月の売上は今でも忘れやしない、約20万円。その20万という売り上げの大部分は、一番最初の週にオープン記念と称して割引セールを行ったから上がったようなもの。しかも以前勤めていたお店の常連さんらが御祝儀も兼ねて買って下さったのだから、セールのあとに新規の客が突然つくはずもなく、閑散とした日々が訪れたのでした。
4月下旬になると、ひどい時は三日間で売上700円しか上がらない日も…
オーマイゴッ‼️いったいぜんたい、これからどうすりゃいいの。途方にくれる日々。奇跡など起こる訳もなく、無情に4月が終わってしまいました。
月末に事務所の家賃6万5000円を支払いました。光熱費や電話代が1万円ほど。あと自分の住んでるアパート代が3万2000円。それから車のガソリン代とか毎日の食費とか差し引くと、あんまり残らない‥。
売るものもそうある訳ないから、これから仕入れもしないといけないんです。このままじゃ、ジ・エンド。人生終わりだぁ。
とりあえず次の月に向けて作戦を立てました。一つ、方々の古書組合市場に行き、落札して商品を確保すること。二つ、HPの目録だけでなく、ヤフーオークションでも売って売上を上げること。
お金が無いので、行けるのは近隣の熊本・福岡・鹿児島くらい。しかしお金が無いのが禍いしてか強い札を入れられない為落札できない。買えても1~2万円くらいで、仕入れた物を全部集めても数万円くらいしかない。
そうだ。実は奥の手で電話帳にも広告が載ってたんです。そこからわずかですが、買取依頼が来ました!
まずは「原色日本の美術全30巻」。重さを計ったら全部で70キロもある、ごっつい大型本です。これをお客さんのところから1000円で仕入れ、ヤフーオークションにて1000円スタート!はい、結果1000円で終了~😭4箱なので送料の方が高い結果となりました😭。
また別の時には週刊プロレス20年分1000冊ほど。これを一冊8円で全部で8000円で仕入れたんです。で、一年分ずつ500円で出品すると、そのほとんどが500円で終了。トータルでたぶん1万ちょっとになりました。一見すると儲かったような錯覚を覚えますが、一年分出すのに絶対30分くらいかかってます。
いろんな手間暇考えると時給100~200円くらいかも😭
そうそう、岩波新書を一冊10円で100冊くらい仕入れてきたこともありました。クロネコヤマトのメール便で送れるくらいにまとめたらお客さんが買いやすいだろうなあと、適当に6冊100円でヤフオクに出品すると、物の見事にぜんぶ100円で終了。見るとぜんぶ一人の人が落札してました。お得だったでしょうネ~😭
失敗をものともせず、やり続けていればなんとかやっていけるものなんです。この頃はひたすら数をさばいてました。5月は死に物狂いで頑張ってなんとか30万円台の売上に。
俺の城の平和はなんとか保たれたのでした。
~想い出アルバム~
借りていたのは熊本寿司組合事務所で、一階に当店の倉庫部分と寿司組合事務所があって、二階が事務所でした。止まっている車は買取に使っていたハイゼット。
隣が戦後すぐぐらいからある銭湯で、よく入りに行ってました。うちの事務所から男湯が丸見えでしたが、積極的に覗く気になんてなれませんでした( ´艸`)
こちらは二階の事務所。ある時大型台風が来て、左にある簡易倉庫は完全に吹き飛んで、窓ガラスも割れて、事務所の中が水浸しになったこともありました。
最後に地元雑誌に掲載された時のもの。
👇なんだかすごいことが書いてありますが、ほんと必死だった記憶しかないです。熊本からいろんなところに仕入れに行ってて、よく生活できてたもんです。
人間やる気さえあれば食っていけるもんです。以上、アルバムおわり!
コメント