ゴミ屋敷を片づけるには、自分自身で掃除するか業者に依頼する方法があります。片付けが必要な部屋の広さがおおよそ3DK以上であるほか、ゴミが天井や家の外まで達している場合は清掃業者に依頼したほうが効率よく進められます。家の中にゴミが溜まっている人の中には、「個人では掃除するのが大変な量になってしまった」「なるべく費用をかけないで片づけたい」という人もいるでしょう。
当記事では、お金がないときのゴミ屋敷の片付け方や片付けのポイント、清掃を業者に安く依頼する方法などを紹介します。大量のゴミを片づけて家の中をきれいにしたい人は、ぜひ参考にしてください。
1.お金がないときのゴミ屋敷の片付け方
ゴミ屋敷を片付ける方法は、「自分自身で整理する」「業者に依頼する」の2通りに分かれます。自力での片付けとゴミ屋敷清掃業者などの特殊清掃業者への依頼で迷っている場合は、下記の条件を判断基準にするとよいでしょう。
【自力で片付けが可能なゴミ屋敷の条件】
- 片付けが必要な範囲がそこまで広くない(目安:3DK以下)
- 水回り(キッチン・洗面所・浴室など)を利用できる
- 室内で最低限の動きができる
- ゴミが天井や家の外まで達していない
- 一般ゴミが多く、特殊ゴミや粗大ゴミなどが少ない
- 害虫が大量に発生していない
- 十分な時間を確保できる
- 複数人で作業できる
ここでは、できるだけお金をかけずにゴミ屋敷を片付ける方法を解説します。
1-1.【STEP1】明らかなゴミは捨てる
まずは、誰が見てもゴミだと判断できるものは迷わず捨てることが大切です。例えば、生ゴミや飲食物の空き容器、たばこの吸い殻、期限切れのチラシなどが挙げられます。「もしかしたら必要になるかも」「後で再利用できるかも」など、わずかでも迷いの気持ちが生まれるものは一旦後回しにしましょう。
可燃ゴミ・不燃ゴミ・資源ゴミなど、地域のゴミ回収ルールに沿って分けながらゴミ袋に入れておくと、後で分別し直す手間が省けます。
1-2.【STEP2】必要なもの・不要なもの・保留するものに分ける
明確にゴミに分類できるものを片付けたら、残ったものを「必要なもの」「不要なもの」「保留するもの」に分類しましょう。仕分ける際は、ダンボール箱を利用すると効率的です。「必要なもの」には、各種書類や片付け後の使用・保管・譲渡が確定しているもの、「不要なもの」には処分が決まっているものを入れます。「1年以上使用していないものや存在を忘れていたものは捨てる」といったルールを設けておけば、処分するか否かで迷いません。
アルバムのように処分がためらわれるものは、一旦「保留するもの」に入れておくとよいでしょう。ブランド品やコレクション系など、売れそうなものは必要なものとは別に保存しておくと後から探しやすくなります。
1-3.【STEP3】分別して自治体のゴミに出す
残すものと捨てるものの仕分けが終わったら、ゴミとして出せるものと処分に手続きが必要なものに分けましょう。ゴミの分別ルールや回収日は自治体によって異なります。「ゴミの出し方 自治体名」などで検索すると、該当地区における分別方法や回収依頼の出し方などが記載された公式サイトを見付けられます。
1-4.【STEP4】粗大ゴミを捨てる
家具などの粗大ゴミを捨てる際は、自治体の「粗大ごみ受付センター」に申し込み、購入した処理券を貼ってから指定日に自宅前へ出す決まりとなっています。粗大ゴミの大きさに応じて、1つ数百円~数千円が必要です。
一般ゴミとして出せる大きさまで解体できれば、処分費用はかかりません。冷蔵庫などの電化製品を処分する際は、粗大ゴミではなく「家電リサイクル法」に則った処分が必要です。「家電名 自治体名」などで検索すると、該当地区で利用可能な処分方法を調べられます。
1-5.【STEP5】掃除をする
長年ゴミ屋敷状態にあった家の床や壁には、多くの汚れや雑菌、カビがこびり付いています。あらかたの仕分けとゴミ出しが終わったら、部屋の風通しをよくして掃除に取りかかりましょう。掃除するときのポイントは、下記の通りです。
【掃除のポイント】
- 生ゴミの汁などは、新聞紙やキッチンペーパーで拭き取る
- 部屋全体を一度ざっと水拭きする
- 落ちにくい汚れは有効成分が配合された洗剤を使用する
- 最後に消毒液で除菌する
2.お金がないときにゴミ屋敷を片付けるポイント
ゴミ屋敷の片付けには時間と手間がかかりますが、自力で作業することのメリットもあります。ゴミ屋敷の片付けを自力で行うメリットは、主に下記の4つです。
【自力でゴミ屋敷を片付けるメリット】
- 丸ごと依頼するよりも費用を節約できる
- 個人情報やプライバシーを見られる心配がない
- 業者とやり取りしなくてよい
- 片付けのペースを調整できる
ここからは、お金を節約しつつゴミ屋敷を効率よく片付けるポイントを解説します。
2-1.片付けに必要なものは事前に準備する
ゴミ屋敷の片付け途中に用具が足りなくなれば、作業を止めて買いに行かなければなりません。作業に集中してスムーズに終わらせるためにも、必要なものは用意して臨みましょう。下記は、最低限揃えておきたい片付け用品の例です。
【片付け用品の例】
- 自治体で指定されたゴミ袋(50枚以上が望ましい)
- 梱包資材(ダンボール・ガムテープ・紐など)
- トング(長柄が望ましい)
- スコップ
- 掃除用具
- 台車(ゴミの運搬用)
- 害虫・害獣駆除剤
2-2.片付けのスケジュールを決める
ゴミ屋敷化した家を綺麗に片付けるためには相応の作業日数と手間がかかります。また、ゴミを出せる日程もある程度決まっているため、計画性が大切です。
例えば、「1日目は玄関と廊下、2日目はキッチン周り、3日目は寝室」など、具体的な目標を決めておくと人手を確保しやすく、モチベーションも保ちやすくなります。想定以上に時間がかかる事態も考慮して、予備日も設けると安心です。一度に終えようとはせず、無理のない範囲でコツコツと片付けを進めていきましょう。
2-3.掃除前に害虫駆除対策をする
ゴミ屋敷には、コバエやゴキブリ、ネズミなどの害虫・害獣が湧いている可能性があります。作業中に周囲をうろつかれると集中力が乱れる上、衛生的・気分的にもよくありません。
片付けを始める前に、締め切った部屋へ殺虫剤を散布したり燻煙剤を焚いたりして、可能な限り駆除しましょう。作業現場でも手元にスプレーを置いておくと安心です。害虫駆除剤は人にも有害である場合が多いため、必ず使用上の注意を確認してください。
2-4.身の安全を守るものを身につけて作業する
ゴミ屋敷を片付ける際は、必ず身の安全を確保した状態で作業しましょう。ゴミ屋敷は汚れや雑菌により不衛生な状態となっています。また、ゴミにむき出しの包丁や割れたガラスの欠片などが紛れているケースも珍しくありません。
放置された害虫・害獣のフンや繁殖したカビは、呼吸するだけでも健康に被害が出る場合があります。下記の保護用品を身につけると、身体を保護しやすくなります。
【保護用品の例】
- 軍手・厚手のビニール手袋
- マスク
- ゴーグル
- 帽子(頭を覆うもの)
- 作業着(長袖・長ズボン)・カッパ
- 長靴・スリッパ・安全靴
2-5.部屋ごとに片付けていく
ゴミ屋敷を片付ける際は、部屋ごとに片付けていく方法がおすすめです。「明日は燃えるゴミの日だから」と、複数の部屋で同種のゴミを集めるのは一見効率よく見えるものの、モチベーションが落ちやすくなり、中途半端に終わりかねません。
部屋ごとに片付ける・狭い部屋から片付けるようにすると達成感が生まれやすく、集中力を保てる可能性が高くなります。また、玄関や勝手口など、出入り口に近いところから片付け作業を進めると、ゴミの搬出や換気が容易です。
3.【お金がない人向け】ゴミ屋敷の清掃を業者に安く依頼する方法
「ゴミ屋敷の片付けにあまりお金をかけられない」という場合は、下記のような方法で費用を抑えられます。
【ゴミ屋敷の片付け費用を節約する方法】
- 複数の業者から見積もりを取る
- 分割払いが可能な業者を選ぶ
- 繁忙期を避ける
- 買取をしている業者に依頼する
複数の業者から見積もりを取って比較する「相見積もり」は、業者ごとに作業費用や相場観を把握できるのがメリットです。また、ゴミ屋敷清掃サービスに対応する業者の多くは「2月〜4月」「11月〜12月」が繁忙期に当たり、依頼費用が高騰する傾向にあります。
不用品回収に対応していない業者の場合、片付け中に価値のある品があっても、そのまま処分される可能性もあります。念のため、不用品買取サービスを行っている業者を選ぶとよいでしょう。
まとめ
ゴミ屋敷を片づける方法には、自分自身で整理するか業者に依頼する方法があります。自分自身でゴミ屋敷を片づけるときは、必要なものを揃えるほかスケジュールを立てて計画的に進めるのが大切です。可燃ゴミ・不燃ゴミ・資源ゴミなどの分別ルールに従ってゴミを分けた後は、残ったものを「必要なもの」「不要なもの」「保留するもの」ごとに仕分けます。ゴミの分別ルールや回収日は自治体によって異なるため、ゴミを出す前に確認しましょう。
ゴミ屋敷の清掃を業者に依頼する際は、複数の業者から見積もりを取ったり繁忙期を避けたりすれば費用を抑えられます。また、不用品買取サービスを行っている業者を選ぶのもおすすめです。
コメント