遺品は適当に捨てるわけにもいかないため、荷物が大量であった場合はどうしたらよいのか、対処に困ることがあるでしょう。遺品整理が必要な場合に頼りになるのが、遺品整理業者です。ただし、間取りや処分品の量によって料金が異なるため、依頼の前に料金の相場を確認することをおすすめします。
当記事では、遺品整理の料金相場と内訳、オプション費用と遺品整理の料金を安くするポイントについて解説します。遺品整理業者に依頼したいものの費用に不安がある方は、ぜひご一読ください。
1.遺品整理の料金相場はいくら?
遺品整理とは、故人の自宅などで使われていた荷物を整理・処分して部屋を片付けるサービスです。
遺品整理サービスの利用料金は、故人の住んでいた家の広さや間取り、荷物の量などによって大きく異なります。基本的には、片付ける家の範囲が広ければ、広い分作業人数や作業時間が増えるため利用料金が高くなる傾向です。
遺品整理サービスの間取り別の料金相場目安は、以下の通りです。
間取り | 作業人数 | 作業時間 | 料金相場 |
---|---|---|---|
1R・1K | 1~2名 | 1~3時間 | 3万~8万円 |
1DK | 2~3名 | 2~4時間 | 5万~12万円 |
1LDK | 2~4名 | 2~6時間 | 7万~20万円 |
2DK | 2~5名 | 2~6時間 | 9万~25万円 |
2LDK | 3~6名 | 3~8時間 | 12万~30万円 |
3DK | 3~7名 | 4~10時間 | 15万~40万円 |
3LDK | 4~8名 | 5~12時間 | 17万~50万円 |
4LDK以上 | 4~10名 | 6~15時間 | 22万~60万円 |
遺品整理にかかるオプションサービスを利用する場合は、追加費用が発生します。料金は事業者によっても異なるため、依頼前に確認しましょう。
2.遺品整理の料金相場の内訳
遺品整理費用は、さまざまな要素が組み合わさって決まるのが特徴です。詳しい料金項目は、下記の通りです。
処分する荷物の量 | 処分品が多いほど廃棄料・人件費などの処分費用が必要となるため、料金が高くなります。多くの遺産整理事業者では、トラックの積載量によって料金を決定します。部屋が広くない場合でも、荷物が多ければ料金が上がるため注意してください。 |
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部屋の大きさ | 部屋の大きさによる料金の設定は、間取りごとに金額を示すのが一般的です。基本的には部屋の面積まで細かく問われることはないものの、同じ2LDKでも通常想定される面積より大幅に広い部屋の場合、追加料金が発生するケースもあります。 |
不用品の種類 | 電化製品やパソコンなどは、廃棄の際にリサイクル料金が発生します。数によっては通常の荷物よりも費用が高くなる可能性があるため、依頼前に確認を取るのをおすすめします。買取サービスがある事業者であれば高額で売却できる製品もあるため、事業者選びは慎重に行いましょう。 |
建物と周辺状況 | マンションの高層階やトラックを駐車できない狭い道に接した住宅など、荷物の運び出しが困難となる建物・周辺状況の場合は追加利用が必要となることもあります。作業が難しそうな環境であれば、事前に担当者に伝えるのが無難です。 |
オプションサービス | 多くの遺品整理事業者では、遺品整理後のハウスクリーニングやリフォーム、供養、お焚き上げなどのさまざまなオプションサービスを提供しています。オプションを利用する場合は追加料金が発生するため、見積もりの際に確認しておきましょう。 |
作業希望日 | 賃貸物件の契約満了や引越しなどの関係により、数日中に作業してほしいというケースもあるでしょう。日程によってはスタッフの日程調整などが必要となるため、期日に余裕がある依頼と比較すると料金が高くなりやすい傾向です。 |
3.遺品整理のオプションサービスと費用
遺品整理のオプションサービスについて、それぞれの内容と費用相場を解説します。
・遺品供養やお焚き上げ
遺品供養とは、故人の愛用品を神社やお寺で燃やして供養してもらうサービスです。合同供養や仏壇供養などは数千円から、自宅での供養は約2万円から可能です。事業者によっては、合同供養を無料で実施しているケースもあります。
・ハウスクリーニング
故人が遺品整理の対象となる物件に住んでいた場合は、ハウスクリーニングのオプションを利用するのもおすすめです。ハウスクリーニングでは、キッチンや浴室などの水回りを含む住宅全体について清掃・脱臭を行います。1K・1Rで2.5万円ほど、4LDKで約6万円が相場です。
賃貸物件であれば、ハウスクリーニングを利用することで明け渡し時の清掃料金を抑えられる可能性があります。
・特殊清掃
孤独死などで故人の死後すぐに気付けなかった場合、基本のハウスクリーニングで落とせないような頑固な汚れや臭いが付着しているケースもあります。汚れ・臭いが深刻化しているのであれば、特殊清掃のオプションサービスを利用しましょう。消臭・消毒は約2.5万円から、汚物撤去は約4.5万円からが目安となります。
・畳の張り替えリフォーム
遺品整理とあわせて畳張り替えなどのリフォームも可能です。畳の張り替えサービスは6畳で約7.5万円からが相場となります。ただし、リフォーム料金は建物のコンディションによっても大きく異なるため、事前に事業者に確認しておきましょう。
4.遺品整理の料金を安くするポイント
遺品整理を事業者に頼むことで、手間や時間をかけずに荷物を片付けることができます。遺品整理の対象となる住宅や荷物の内容により、必要なオプションサービスを組み合わせて対応できるのも嬉しいポイントです。
遺品整理は安く依頼できるに越したことはありません。ただし、遺品整理業者の中には安さだけをアピールして、後から追加で作業費用を請求したり貴重品や価値の高い品を確認せず回収したりする悪徳業者も存在します。被害を防ぐためにも、遺品整理事業者は慎重に選択しましょう。
ここでは、遺品整理の料金を安くするポイントについて詳しく解説します。
4-1.複数の業者から見積もりを取る
遺品整理を事業者に依頼する際には、3〜5件ほどの事業者から見積もりを取りましょう。遺品整理やオプションにかかる料金は、事業者によって差があります。依頼したい範囲の間取りやオプションを決めたら、見積もりを取った事業者の中からお得で信頼して依頼できる会社を選択しましょう。
注意点として、遺品整理料金が他社と比較して高すぎる・安すぎる事業者は、信頼できない会社である可能性が高いです。依頼先の選択は、見積もり金額を見比べて慎重に行いましょう。
4-2.できるだけ自力で整理する
遺品整理を安く済ませたい場合、依頼前に自力で片付けられる荷物を処分するのもおすすめです。整理したい遺品の中には、簡単に捨てられるゴミや、親戚が引き取る貴重品などもあるでしょう。簡単に捨てられるものを事前に自分たちで処分・整理するだけでも、事業者の負担を減らして料金を安くできる可能性があります。
事前にある程度作業したことをアピールすれば、見積もり時の値段交渉も有利に進むでしょう。
4-3.買取や売却サービスを利用する
多くの遺品整理事業者では、遺品整理と同時に不用品の買取・売却サービスも提供しています。遺品整理のサービス利用料金から不用品の買取金額を差し引いてもらえるため、高く買い取ってもらえそうな家電などがある場合はぜひ利用しましょう。
ただし、買取専門の事業者やリサイクルショップへ持ち込むことで、さらに高額買取が期待できる製品もあります。最近ではフリマアプリでも簡単に出品できるため、製品の価値や状態から最適な方法を見極めましょう。
4-4.オプションの有無を確認する
遺品整理事業者ではさまざまなオプションサービスがあり、どのサービスが有料オプションとなるかは事業者によって異なります。同じ作業内容でもオプション料金が必要な事業者と基本サービスの範囲内で対応できる事業者があるため、依頼前に確認することが重要です。
遺品整理の依頼を決めたら、依頼内容の中からオプションに含まれる可能性が高いサービスをピックアップしましょう。見積もりを複数取る際にはオプションの有無を確認して、トータルの作業料金で比較検討してください。
まとめ
遺品整理の料金は家の広さや間取り、処分品の量などによって異なります。部屋が広く処分品が多いと、作業する人数や時間も長く必要になるためです。建物の周辺状況や作業希望日によっても料金が高くなる恐れがあります。
遺品整理の料金を安くするには、複数の業者から見積もりを取り、信頼できてお得な遺品整理業者に依頼しましょう。簡単に捨てられる不用品は先に処分・整理すると、料金が安くなる場合もあります。遺品整理業者によっては通常ではオプション扱いになることを、プランに含めて対応している会社もあります。依頼前に確認し、オプションの金額も含めた全体の料金で検討してください。
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