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古書組合市場

北東北書会さいごの日

3月23日の昨日、北東北書会が最後の日になってしまいました。

こちらの市場は大阪古書会館の支部として、長年にわたって古本の交換会を行ってきており行っておりました。年配の方の最後の挨拶では戦後すぐに北東会・北書会が発足。以後その二つの市会が合併し、北東北書会になったということです。以来70年以上にもわたって、ずっと大阪の古本屋さん達を支えてきた市場だったのです。

私がこの市場に通い始めたのは 古本屋として独立して2年目、2004年でした。 当時の私は少しでも古本の勉強がしたくて、いろんな市場に通おうと思っておりました。熊本に店があったので、そこから 車で阿蘇山を越え大分まで出て、フェリーで大阪に渡り、東京・名古屋・大阪の各市古書組合の市場へ 仕入れに 行っておりました。

その中で大阪の古書組合では「日南会」と「金曜クラブ」に通っており、サブカル関係の本を仕入れておりました。ある日そこでそこで一人の古本屋さんに声をかけられました。「そういったものはもう一つ大阪にある市場でも出るので来てもらえないか」。それが北東北書会でした。

一番最初に足を運んだのは2004年8月5日。このことは昔のブログにしっかり記されておりました。

■…2004年 8月 5日 (木)…….大阪北東北書会

今日参加する予定の「北東北書会」は
大阪の北の方にある。20キロ北上して、ようやく目的地近くに。
さすがに大都会、結構道路が込んでいるので
20キロでも1時間近くかかる。
近くまで来て安心したので、ファミレスでちょっと休憩。

午後12時半、そろそろ時間だなと思い店を出たが、道が良く分からない。会場近くは一方通行だらけでナカナカ近づけないのだ。
12時47分、気持ちがアセり、間に合わないのでは・・・と不安になってきた。
電話をかけると、会場の担当の方が親切に道を教えてくださった。
おかげでなんとか午後1時ジャスト、会場に到着。
いつもながらギリギリというのは心臓に悪い。
今度から初めての場所は、もうちょっと余裕を持って行こう。

さて、本題の「北東北書会」だが、
想像していたのより会場が広く、ゆったりした雰囲気の中で
テンポよくセリ市がはじまった。
東交会や日南会もそうだが、とにかく発声するタイミングが難しい。
いいと思った商品でも、声を出すタイミングが悪くて、
ナカナカ落とすことが出来ないのだ。
それでもあるジャンルの本は力技で落とせた。
少々高くついたかもしれないが、次のことを考えれば
これでよかったかも。高く落とせば、次も出品が増えるかもしれないのだから。

とにかく一番最初にびっくりしたのは一歩通行だらけの奥まったところにある、公民館で行われていることでした。その頃着いていた車のナビではよくわからなくて、道に迷いつつこの一番行った記憶があります。

また市場では商品が台の上に出てから皆が発生するテンポが速くて、なかなか思うようについていけませんでした。それまで通っていた大阪古書会館の日南会よりもうちょっと早いかんじ。慣れるのにしばらく時間がかかったんじゃないかと思います。

当時北東北書会は毎週一回の開催。そして日南会は1ヶ月に3回の開催でした。そのうち日南会の第一週と第三週に絡めて、熊本から大阪に行くことにしておりました。それを中心に東京や名古屋にも仕入れてたのです。 その時の様子は9月の予定表を見るとよくわかるかと思います。

■…2004年 9月 1日 (水)…….9月の予定

・9/1 大阪   日南会
・9/6 東京   中央市会
・9/7 名古屋  全無会
・9/10 福岡  通常交換会
・9/15 大阪  日南会
・9/16 大阪  北東北書会
・9/17 大阪  金曜クラブ
・9/24 福岡  通常交換会
・9/26 熊本  二十日会

北東北書会でよく落札して買うようになると、老舗の古本屋さんが倉庫を整理して、サブカル本を色々出してくださるようになりました。 その時の様子が次の2004年9月16日の日記に書かれております。

■…2004年 9月16日 (木)…….北東北書会
朝8時起床。

カプセルホテルロビーにて朝食。
朝食後、朝風呂を浴びてネットカフェに移動。
ここで日記を書いたり、本を読んだりで12時まで。
北東北書会の会場はアメリカ村から12キロほどなので、
12時に出てちょうどいいぐらい。
午後1時から前回同様開催された。

この会には独特の風習がある。
というのは会の最中に出前を頼んで、皆食事しながら
セリをやっているのだ。
「郷に入ったら…」なので、自分も親子丼を注文。
ちょうどセリの最中、3万円近くもする写真集がセリで出てきた。
頭の血管に血が昇る。絶対落とそうと思った矢先、
後ろから声をかけられた。「親子丼できてますよ」
振り返り「はい」と返事をした瞬間、その写真集のセリが終わっていた。
1000円スタートで1000円で落札だって。
何とも油断ならぬ市だ。ちょっとのスキが死を招くというか…。

昨日の日南会も凄かったが、今日の北東北書会も凄かった。
私好みの本が次から次へと出てくるのだ。
こんなことあっていいのだろうか。
会場の人に聞くと、こんなことは滅多にないことだという。
やはりまめに市に参加することが重要なのだ。
前回では一万円ぐらいだった落札金額が、
今回は二十万円ほどになっていた。
それ、走れ銀行へ。駐車場のオジサンに自転車を借りて
近所の商店街の銀行へ走った。

北東北書会では市場が始まる前に、店屋物の注文と飲み物の注文を決めておりました。午後1時から市場が始まるのですが、大体1時半ぐらいに僕の飲食店から出前の配達がありました。それを食べながら市場の発声を行うのです。

 私は日頃は日頃疲れているせいか、そのご飯を食べてしばらくするとほぼ100%に近い確率で寝てました。居眠りしつつも自分の欲しいものが出た時、「ほら、アンタの欲しいもんが出てるよ‼」と皆が起こしてくれて発声をする。そんななんか和やかな雰囲気が大好きでした。

だいぶ前置きが長くなりましたが、3月23日の北東北書会の様子をお伝えしなければなりません。こちらは今まで北東北書会に参加された方々が、多数参加。終始賑やかな雰囲気で、いつも通りの楽しい市場となりました。

私もついつい大人の専門書⁈を落札してしまいました。いや~市場って本当に楽しい‼

市場が終わると、いつものように飲み物が喫茶店から配達。

長年配達してくださったお店の方にお礼の挨拶を。そして談笑しながらいつものように楽しいおしゃべりタイムが。この風景、これが最後なんだと思うと本当に名残惜しい気持ちになりました。

思えば、いろんな市場に出かけ疲れていた自分にとっては、この市場妙に和んでリラックスできました。よく昼寝してましたし…。心のオアシスのような市場でした。そしてそれに加えて、老舗の古本屋さんたちから多くのことを学びました。良い市場だったなァ。

今後、参加メンバーのほとんどが大阪古書会館で開催される市場に引き続き参加されるとのこと。ちょっと安心しました。私も少しでも組合の市場に参加して、今後も業界を盛り上げていきたいですネ。

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